プチプチは、守るための素材。
けれど、もし自分自身が包まれたら、何が起きるのだろう。
岡山大学・清田哲男先生のゼミが手がけた「STartLE project プチプチアート万博 — 思い出と共に梱包される私」。
そこには、巨大なプチプチとともに、人と人、記憶と未来をやさしくつなぐ時間がありました。
プチプチ文化研究所は、その現場を訪ねました。
「面白い!」から始まるSTartLEという学びのかたち
所長:STartLEプロジェクトについて教えてください。
清田さん:岡山大学教育学部美術教育講座の学生有志によるアートプロジェクトチームです。「STartLE(スタートル)」は 「intereST(面白い) × LEarn(学び) × art(アート)」 で、日常の「面白い!」を素材と学びでつなぎ、驚き(startle)へと昇華させる活動をしています。
所長:これまでも数々のプロジェクトをされていますが、どれも視点が新鮮で面白いですね。今回は「プチプチ」に着目していただいてありがとうございます。STartLE さんの取り組みをSNSで所員が発見したのですが、長年プチプチに携わっている私たちにとっても、これほど巨大なプチプチを見るのは初めてで、驚きと同時にとてもワクワクしました。
「巨大プチプチで地球をまもる」というコンセプト
清田さん:STartLEは、「岡山大学を象徴するモチーフは何か」「思い出や縁をどう表現するか」という問いから発想を広げ、今回のプロジェクトのテーマを 『巨大プチプチで地球をまもる』 に設定。これは単なる大きさの挑戦ではなく、人とのつながりや歴史、未来への願いまでも “包み込む” というコンセプトです。
所長:地球をまもる、という大きなスケールに見合う、巨大なプチプチという発想にも脱帽しましたが、コンセプトがとても素敵ですね。約60倍の大きさという巨大プチプチはどうやって作ったのですか?
清田さん:制作には透明性・強度・空気保持など多くのハードルがあり、学生とともに試行錯誤を繰り返しました。制作過程では、ドラム缶用のポリ袋や、直径の大きな紙管を使い、アイロンによる熱圧着と空気漏れ対策などを重ねて完成に至っています。

岡山大学 清田哲男教授
プチプチ文化研究所 所長
岡山大学 教育学部4年 冨谷志帆さん
岡山大学院教育学研究科 修士課程2年 溝上怜海さん
岡山大学 教育学部4年 吉岡千晴さん
体験することで生まれる、新しい関係性
所長:リアルなプチプチのプチとプチの間のピッチなども正確に計算していただき、皆さんのがんばりがとても伝わってきました。ご来場者もとても楽しそうですね!
清田さん:展示会場で巨大プチプチが広がる光景は、見る者を圧倒する存在感を放っていましたね。みなさん、写真を撮ったり触れたり、自ら体を預けたり、寝転んだりしてとても楽しんでいただきました。通常サイズとは異なる感触や空気の強さを体感することで、素材そのものへの関心や新たな発見が生まれていたように感じました。
所長:実際に私も巨大プチプチの中に入らせてもらいましたが、自分が梱包されると、視点が変わり、私自身、プチプチとの新しい関係性ができたような気がします。プチプチという名前と、見るとプチプチしたくなる特性を持つモノであること、そして今、当社が積極的に取組んでいるプチプチリサイクルも結び付けて、お子さんにも楽しんでもらえることが出来たら嬉しいです。
清田さん:見るとプチプチしたくなる……まさにアフォーダンスですね。人の行動を自然に引き出す、その特性も含めて、いろいろ試してみたいですね。
所長:ぜひよろしくお願いします。清田先生、本日はありがとうございました。今回の清田ゼミ訪問で得た対話と体験を大切にしながら、プチプチ文化研究所はこれからも、素材が人の感覚や関係性をひらく瞬間を探り続けていきます。
岡山大学 STartLE project
https://www.okadaiart.com/