「プチプチ」は、なぜプチプチと呼ばれているのか
「プチプチ」は、なぜプチプチと呼ばれているのでしょうか。
私たちの身の回りに、これほど説明不要で通じる名前のモノは、そう多くありません。
「プチプチ」。
誰に言っても、どんな素材か、どんな音がするか、
触ったときの感触まで、ほぼ同じイメージが共有されます。
プチプチは一般名称ではない
「プチプチ」は、川上産業株式会社の登録商標であり、商品名です。
一般名称ではありません。
一般的には、気泡緩衝材、気泡シートと呼ばれる工業製品に分類されます。
それでも、多くの人が自然に「プチプチ」と呼んでいる。
この事実自体が、とても興味深い現象だといえます。
音と体験から生まれた名前
プチプチという言葉は、機能ではなく「音」から生まれたネーミングです。
〇指で押す
〇音が鳴る
〇感触が伝わる
これらが一体となり、「プチプチ」という言葉に集約されました。
専門的な説明がなくても、名前を聞くだけで体験が想像できる。
これは、モノの名前として非常に稀有な特徴です。

もともとの名前は「エア・バッグ」だった
今では当たり前のように呼ばれている「プチプチ」ですが、もともとは「エア・バッグ」という名前でした。
エア・バッグという名前は、機能を正確に表しています。
タイムマシンがあれば、60年前の命名の瞬間に立ち会い、創業者の川上聰さんにご挨拶したいところです。
ただ、今あらためて考えてみると、その名前からは、触った感触や音、
あの独特の体験までは、なかなか想像できません。
一方で、「プチプチ」という言葉には説明がありません。
それでも、音も、感触も、使い方も、なんとなく伝わる。
この違いは、とても大きかったのではないかと思います。
名前が、人との距離を縮めた
「エア・バッグ」から「プチプチ」に変更、商標登録をすることを発案したのは、
川上産業の2代目社長・川上肇さんでした。
結果的にそれは、使う人との距離を大きく縮める選択だったのだと思います。
名前が変わると、伝え方が変わります。
説明が減り、理解が早くなり、会話がスムーズになる。
エア・バッグという名前で、毎回説明が必要だった世界と、
「プチプチ」で通じる世界。
その差を正確に測ったことはありませんが、思っている以上に大きかったのではないでしょうか。
名前が文化を生んだ
プチプチは、本来、梱包・保護のための素材です。
しかし実際には、
〇つぶして遊ぶ
〇触って落ち着く
〇音を楽しむ
といった、本来の用途を超えた使われ方が広がっています。
この広がりの背景には、「プチプチ」という名前の親しみやすさがありました。
名前が、人の行動を変え、文化を生む。
そのことに気づき、2001年にプチプチ文化研究所は誕生しました。
名前を起点に、文化を考える
プチプチには、音があり、感触があり、記憶があります。
プチプチ文化研究所は、
この名前を起点に、モノと人、文化と社会の関係を、これからも探り続けていきます。
※「プチプチ」「プチプチ文化研究所」は川上産業株式会社の登録商標です。