プチプチ文化レポート

文房具ライター“きだてたく”スパスパレビュー

筆者はふだん「文房具ライター」という仕事をしています。要するに最新文房具のレビューをしたり、使いこなし記事を書いたりという感じなんですが、その仕事をする上で「プチプチ®」は欠かせません。
まず、メーカーからレビュー用にサンプル品を借りる機会が多々あって、それを返送する際にまず絶対に使う。大事な預かりものですから、こっちからの輸送中に壊れた、みたいなことは避けたいわけで。
ほんと、いつもお世話になってます。


ですが、実はそれ以上に重要な役目が「プチプチ」に課せられてます。それが、ハサミの切れ味を測る“切られ役”なんです。
そもそもハサミって、薄くてフニャフニャしたものを切るのがメチャクチャ苦手。
そして、その薄フニャの代表格であるフィルムを重ねて作った「プチプチ」は、特にハサミにとって難敵です。実際、刃と刃の間にフィルムがフニャッと入っちゃって切りづらい思いをしたこと、ありませんか?
逆に言えば「プチプチ」をスパーッと切ることができるハサミというのは、非常に優秀!と判断できるわけ。
そういう優秀なハサミはわりとレアなので、手元にあるなら大事に使ってもらいたいです。

日常的にプチプチのカットで愛用しているフィルムカット専用ハサミ。切れ味は抜群です。

ということで、筆者が新しく発売されたハサミのレビューをするときには、絶対に「プチプチ」を切るテストをする(切ったものはサンプルの返送に使うので、無駄がない)んですが……。 なんか、川上産業さんから「もうプチプチはハサミで切らなくていいです」って連絡が来て……え? どゆこと?

ハサミ不要の新機構を搭載した緩衝材シート「スパスパ」

その川上産業さんから送られてきたのが、新製品の「スパスパ」。
ははーん、なるほど。新しいプチプチがスパスパ、というネーミングの時点でもうだいたい機能の予想は付きました。
こういうことですね?

手で引くだけで、まっすぐ勢いよく切れていきます!気持ちいい!

うわー! 予想は付いてたけど、この気持ちよさはちょっと想像以上。
本来なら力任せに手で裂こうとしたってウニーンと伸びるだけなのに、「スパスパ」は粒と粒の隙間からズッ…パーーーッと切れていきます。そしてこの切れる感触が、毎回「うひぃー!」と声がでちゃうレベルで、めちゃくちゃ爽快。
従来の「プチプチ」は粒をひとつずつ潰して楽しむのが定番だったんですが、「スパスパ」も新しいホビーになる可能性が高そう。

ミシン目が入ってるわけでもないのに、きれいにカット可能。

あと、ハサミで「プチプチ」を切るのが難しい理由がもうひとつ。ロールからきれいにまっすぐ切り取るのが、難度高いんです。
もちろん切るときはロールに対して垂直に切ってるつもりなんですが、切り取ってみたら、大きくナナメになったりグネグネ蛇行してたり。結果として、文房具みたいな小物を包むときに上手く端が合わせられず、いつも調整のために切り直す羽目に陥りがちです。

ハサミで直線に切ったつもりなんですけど…なんか毎回こうなるよねー的な蛇行っぷり。

ところが「スパスパ」はそういう手間が不要。ナナメにならず確実に直線カットができるから、調整カットで無駄が出ない分、コスパ的にもいいのかも。
ちなみにカットできるスパ溝の区切りはタテに50㎜、ヨコに25㎜ずつ。これを憶えておけば、いちいち定規で測らなくても、欲しいサイズの緩衝材シートがピッタリ取れます。

「スパスパ」の最小カット単位。包むもののサイズに合わせて無駄なく切ることができます。

小物を包むと言えば、「スパスパ」のエアー粒が四角い、というのも意外に効果的でした。 大きいモノをザックリ包むなら丸粒でもなんの支障もないんですが、小物を丁寧に包もうとするなら、四角粒のほうが圧倒的にラク。本来なら厚手の「プチプチ」でシートのコシを使わないと難しい封筒包みも、粒と粒の間でまっすぐ折れて簡単です。

四角い粒だから表面にデコボコが出づらく、梱包の仕上がりが断然にスマート。

仕上がりの見た目がスッキリしていいので、受け取る側も「おっ、丁寧に送ってくれたな」と思うはず。
メルカリなどフリマアプリでの商品やりとりにこの技を使うと、絶対に印象が良いんですよマジで。

以上のことから、
①切れ味の優秀なハサミを持ってない
②ズッパーーーッという爽快感を味わいたい
③ロールから切るとだいたいナナメに切れちゃう
④無駄をしたくない派
⑤「丁寧に送ってくれる人」と思われたい
……という人には「スパスパ」、オススメです。

~きだて たくさんプロフィール~

最新の機能派文房具からファンシー系オモシロ文房具まで、徹底的に使い込んでレビューする文房具ライター。普段は雑誌・WEBで文房具の最新情報や使いこなし記事を執筆するほか、文房具の楽しさを伝えるトークライブなども全国各地で行う。『愛しき駄文具』(飛鳥新社)、『日本懐かし文具大全』(辰巳出版)など著書多数。
https://twitter.com/tech_k

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