プチプチ文化研究所

プチプチ文化研究所

〈第7回〉プチプチ×石渡文一 「プチプチスツール」

所長:プチプチ文化研究所プチプチ対談、第7回目のゲストはデザイナーの石渡文一さんに来ていただきました。よろしくお願いします。プチプチやプラパールを使ったサスティナブルなスツールをデザインされています。石渡さん、よろしくお願いします。

石渡さん:よろしくお願いします。

木材を使わない軽量スツール

プチプチスツール"pinna"(2021年)

所長:最初にプチプチを使ったスツールデザインはどこから着想を得られましたか?

石渡さん:以前、カーペットを丸めてつくるスツールをデザインしたのですが、シート状の素材であれば同じように「人の体重を支えられるのでは」と思い、リサーチをしていました。ホームセンターで売られていたロール状のプチプチを発見して「これなら軽量で座り心地の良いスツールができるかもしれない」と考えて製作したのが2021年の「プチプチスツール」です。その後、板状のプチプチ「プラパール」の存在を知って「木材を使わない軽量スツール」として製作したのが今回の作品になります。

所長:プチプチやプラパールの素材や特性を活かしてくださいましてありがとうございます。石渡さんがお考えになるプチプチやプラパールならではの利点はどこでしょうか?

石渡さん:第一に「軽量で強い」ということ。さらにリサイクルしやすい素材であるということですね。軽量ということは持ち運ぶ製品として有利なデザインが考えられますし、破損して使えなくなったとしても回収してリサイクルが可能なので、資源の無駄使い防止にもなります。プラスチック製品は悪者に思われがちですが、しっかりと管理すれば持続可能性の高い、サスティナブルな素材であると考えています。

断面の連続したパターンが新鮮

表面と断面の対比

所長:プチプチやプラパールの持つパターン(柄)や積層断面はデザインにどんな影響を与えましたか?

石渡さん:断面の連続したパターンがとても新鮮でした。ライナー面(表面)と断面の対比が形に変化を与えていますし、円が連続するプチプチのディンプル面は単純な平面よりも楽しさが伝わってきます。今回の展示でも多くの方が実際に手で触れていました。つい触りたくなる、やさしいデザインが実現できたと思っています。

設計を担当した商品開発部・田島琢己コメント
今回の設計にあたっては石渡さんのデザインイメージの実現とスツールとしての強度確保という形で打ち合わせさせて頂き、結果として素晴らしい製品になりました。このようにプラパールの特性を意匠性に取り入れた製品は新たな可能性に繋がるものと確信しております。制作に協力させて頂き、ありがとうございました。

プチプチでスツールが出来ていることへ驚き

「エコプロ2023」会場にて

所長:展示会を通してのユーザーフィードバックを教えてください。

石渡さん:来場者の多くが、プチプチの仲間でスツールが出来ていることに驚いていました。実際に腰掛けて丈夫であることに納得し、持ち上げてみて軽さに驚く。見た目の印象からは想像できない意外な発見をした時の、皆さんの笑顔が印象的でした。

所長:今後の展望を教えてください。

石渡さん:プチプチやプラパールは機能性に特化した素材として評価されてきたと思いますが、もっとデザインやアートに着目してプロダクトアウトできる素材だと考えています。思わず笑顔になる、人に喜んでもらえるデザインを今後も考え、提案していきたいと思っています。

所長:ありがとうございました。エコプロ2023でのプラパールスツールの展示場所では多くの方の関心と驚き、笑顔に触れさせていただきました。

~石渡文一さんプロフィール~

「ゆるキャラから産業機械まで」デザイナーとして活動。機械メーカーでデザイン部門を創設し、製品デザイン、マネジメント業務に従事。中小企業のデザイン戦略、オリジナルファニチャーの企画、ブランド構築に関わり、創作活動を続けている。

公益社団法人日本インダストリアルデザイン協会の活動では、2003年から毎年エコデザインワークショップと展示会を開催し、デザイナーを目指す学生の指導を行なっている。

受賞歴:
機械工業デザイン賞最優秀賞/経済産業大臣賞受賞
グッドデザイン賞受賞

所属情報
イシワタフミカズデザイン事務所/代表
神奈川県
fumikazu.ishiwata@nifty.com
創立年 : 2003年

前の記事 記事一覧へ戻る 次の記事